第32話 お前のハートはどこにある?
6/1。お腹のチクチクが無くなり、のどのイガイガも無くなった。こりゃー、成長止まったな。体は、正直者。カリカリ梅があまり欲しくない。なので今日はアダムも連れて行くことにしました。
アダムには、「今日、心音が聞けなかったら流産かも。」とはほのめかしておく。診察室に入ると今日は少し待つことに。「心音の良く聞こえるエコーが使用中なのでちょっと待ちましょう。今日は主人も一緒でいいでしょうか?いいですけど聞こえるかどうかわかりませんよ。」「いや、滅多に入れないところなので折角ですから。」
アダムを連れてエコー室にカーテンの向こうで唸る先生。アダムが手を握ってくれた。珍しい心遣い。「心音が聞こえませんね。母体のノイズが大きいので聞こえなくいこともあるんですが、少し深呼吸しましょう。」スーハースーハー。「やはり聞こえませんねー。ご主人見られます。」反対側のカーテンを開けてしまい「こちら側です。」と注意を受けるアダム。
わたくしもモニターを覗き込む。大きくなってない。10.2ミリ
診察室に戻り先生から「大きくなってませんね。心音も聞こえないし、卵黄嚢というのが見えないといけないんですが。赤ちゃんが育つにはこれが無いと。」と、メモ紙に胎嚢と思しき楕円とその中の端っこに小さな丸を書いて見せてくれる。エコーと比較して「ここら辺に本当だったらあるはずですが無いですね。このまま育つのは難しいですね。」
流産の言葉は出てこないが繋留流産ということらしい。「このまま経過を見て自然に出てくるのを待ちましょう。」待つ、いつまで?その後は?「あのー、手術でお願いできませんか?」「もちろん手術もできますよ。でもデメリットもありますよ。子宮内膜が傷ついて薄くなったり。」「日にちがはっきりしないとアルバイトの手配があるので。」
いつ出血するか分からないし、仕事中だったどうなる。テナントなので無断で店を閉められない。救急車で運ばれたら?「手術で!!」「そうですか、来週の10日なら空いてますよ。」横を見るとアダムが無言。これはいかん。つい先走ってしまった。「どうする?」「もう、大きくならないですかね?」「難しいでしょうが、絶対無いとは言い切れません。」
おや、先生は諦めきれない様子。アダムも然り。「じぁ、もう1週間、様子見ましょうか?その結果しだいで手術ということで。」そういったのはわたくし。「そうしようか。」アダムも賛成したので6/8の診察予約と手術日は6/13と決めた。途中で自然流産したときはしぁーない。
本日のお支払い 1800円 流産決定。今日から3割負担。 累計 516810円
次回 第33話 血迷って? 犬を飼う。パート1