第67話 移植に飽きた。
卵育てて、採卵して、ホルモン上げて、移植して、結果発表。なにかマンネリ化している。治療を始めたころは知らないことばかりで、毎回新鮮だったのが数回繰り返している間に慣れてきた。というか飽きてきた。
「なんと失礼な。欲しくて欲しくてずっとがんばっている人間の身にもなれ。」といわれるでしょうが人間、慣れます、飽きます。
大金はたいて治療しているので真剣にはやっているのだけれど、もっとこう何かが欲しい。救いといえばアダムが愚痴をこぼさないことと、一度説明したことを忘れて何度も聞いてくること。
「注射何回打つの?」「鼻のスプレーなんでするの?」など似たようなことを聞いてくるので復習をかねて丁寧に説明する。
それだけ関心があるということでしょう。たぶん。でも、若年性の健忘症じゃないのかとちょっと心配。
そこで次回採卵となったら新しいことに挑戦してみよう。それは、「プラセンタ」。ふつーじゃん。と思われる方もいらっしゃるでしょうが、高木病院はどちらかと言うと『保守的』。地道に地道に、小さなことからコツコツとタイプ。
なので自分で変化をつけようではないですか。ということで高木病院では扱っていない「プラセンタ」。といいながらネットでよく見るプラセンタ注射は医療との連携的に無理。金銭的にも。
そこでドリンクタイプのプラセンタ、内容量と金額を比較して「王乳33000」を1日1/2本、フォリスチム注射と同時に摂取することに決定。まぁ、まずは移植が目の前なのでそこに集中。次の採卵の時は「プラセンタ」、勝手に追加しまーす。
次回 第68話 移植しました。けど。

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